54. 目の紫外線対策
1) 紫外線が影響する目の病気
紫外線で起きる急性の障害に紫外線性眼炎があります。日差しの強い日に長時間、屋外にいると起こす可能性があります。またスキー場で起きる「雪目」も紫外線性眼炎のひとつです。角膜上皮に細かい傷ができるのですが、角膜は知覚が過敏なので、患者さんはとても痛くて辛い思いをします。残念ですが、特効薬はなく、安静にして、角膜の傷が治るのを待っていただくしかありません。サングラスをかける、つばの広い帽子をかぶる等で予防しましょう。紫外線で慢性の影響を起こし悪化するものに、翼状片、白内障、加齢黄斑変性症があります。
翼状片は、結膜(白目)が角膜(黒目)の上に伸びてくる病気です。9月のコラムに予定しています。
白内障は、カメラのレンズにあたる水晶体が白く濁ってくる病気です(コラム15,16をご覧ください)。
加齢黄斑変性症は、網膜のもっとも大切な黄斑部に起きる病気です(コラム10,11をご覧ください)。
いずれも、紫外線が発症、進行に悪い影響を及ぼします。
2) 紫外線予防を大切に
これから日差しが強くなります。外出するときは、日傘をさすか、つばのある帽子をかぶりましょう。サングラスが効果がありますが、選び方が大切です。色の濃すぎるレンズはかけた時に暗く感じ瞳孔が開くため、かえって眼内に入ってくる紫外線量が増えてしまいます。透明でも紫外線をしっかりカットしてくれるレンズもあります。メガネ屋さんに相談して、しっかり紫外線を防いでくれるものを選びましょう。紫外線はメガネの上や横からも入ってくるため、なるべく顔にフィットしたものが理想的です。
もうすぐ梅雨明けです。暑い夏、皆さん気を付けてお過ごしください。もちろん熱中症対策もお忘れなく(コラム30をご覧ください)。
川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら
2014/7/17 更新