16. 白内障の手術の話し
1) 手術の歴史
昔の白内障手術は、水晶体を丸ごと取り出す手術でした。水晶体を取り出すと、カメラのレンズがなくなった状態で、強い遠視になります。眼内レンズがなかった時代は、手術後に虫眼鏡のような厚い眼鏡をかけました。2) 手術の方法
現在ではほとんどが、超音波乳化吸引術という手術と、眼内レンズ挿入術を同時に行います。先ず、水晶体を覆う被膜の前の部分を丸く穴をあけ、濁った水晶体を超音波の特殊な器械で細かく砕いて吸い取ります。この方法では、傷口がとても小さく(数mm)、回復が早いです。次に、取り除いた水晶体の代わりに、合成樹脂の人工のレンズ(眼内レンズ)を挿入します。レンズの度数は、術前に測定し、その患者さんに合ったものを入れます。 眼内レンズは、目の中に入れても拒絶反応を起こさない素材で出来ているので、そのまま一生目の中にいれたままとなります。
3) 手術の安全性
最近は、超音波の器械、手術器具、眼内レンズがとても進歩し、安全性も高くなりました。入院せず、日帰り手術で行う施設もあります。
川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら
2011/05/17 更新
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