多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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30. 熱中症の話し 湿度にも注意しよう

今月は、緑内障の手術治療についてお話する予定でしたが、日本医師会雑誌の5月号が「熱中症」の特集で、とても有用な内容でしたので、今月は熱中症の話をさせてください。 緑内障手術の話を楽しみにしていた方、申し訳ありません。8月号でお話します。

2003年、ヨーロッパを熱波が襲い、2万人以上の熱中症の死者がでました。日本では記録的な暑さとなった2010年6月から9月で1,684名の死者が出ています。今年はどうなるか、このコラムを書いている時点ではわかりませんが、予防に気を付けていきましょう。

日本医師会雑誌の特集では、熱中症の診断・予防・治療・スポーツ時の注意など盛りだくさんの内容でしたが、ここでは的をしぼり、「温度だけでなく湿度も注意」、「高齢者の熱中症」の2点を述べます。

1) 湿度も大事

スポーツ時の熱中症のデータでは、死亡事故が起きた時のデータで、約半数が気温30℃以下ですが湿度は60%を超えていました。私たちは汗をかき、その汗が蒸発するときの気化熱が体温を下げてくれます。湿度が高いと、この機能がうまく働きません。スポーツの時は、気温だけでなく、湿度にも注意し、特に湿度が60%を超える時は要注意です。
高齢の方も体温の調節機能が若いときより落ちているので、要注意です。「高齢のご両親に、湿度計付きの温度計をプレゼントしましょう」と書いている先生がいました。
とても良い意見です。液晶で文字の大きいものが、家電店で数千円で売っています。

2) 高齢者の熱中症

2010年のデータでは、救急車で運ばれた熱中症患者のうち65歳以上の割合は、男性約30%、女性約50%です。そして実際に亡くなった方の約80%が65歳以上の方でした。
特徴をみていきましょう。

① 軽症が少なく中等症から重症が多い。
② 自宅の室内での発症が多い。

この2点です。

3) 高齢者の熱中症の予防

高齢の方は、皮膚の温度の感受性が低下し、不快な高温多湿に気づくのが遅れます。また、一人暮らしでは、室温上昇に気づく家族がいないため、倒れても発見が遅れる場合があります。
近年の真夏の暑さは尋常ではありません。エアコンが嫌いという方もいるかもしれませんが、やはりエアコンを上手に使うのが、一番効果的な予防法です。
「暑い」という自分の感覚だけでなく、室温を視覚的にとらえ、「室温28℃、湿度60%」と決まりを作り、エアコンを使うことをお勧めします。
水分補給も大切です。渇きに気づいたときは、脱水が進行している場合が多いので、あらかじめ「何時と何時にお茶を飲む」と決めておき、定期的に水分を取ります。


川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら

2012/7/13 更新

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