本文へスキップ

多摩区 ふじえ眼科コラムTOPICS 

網膜④:物が歪む?黄斑前膜(2020.10/7)NEWS

黄斑部は網膜の中心で、物を見る機能の約9割が集まっています。黄斑部に病気が起こると、物が歪む、形を見える、中心の見たいところが見えないといった症状がでます。
片目ずつ窓枠を見てください。もしも窓枠が歪んで見えたら黄斑部に病気を起こしている可能性があります。

1) 黄斑前膜とは?

眼球内には硝子体という透明なゼリー状の物質があり、これが眼球の形を保っています。ちょうど黄斑部の接面の硝子体が膜状に変化する病気です。原因は不明ですが、加齢が原因のようです。
膜は透明で初めは自覚症状はありませんが、この膜が接線方向に収縮すると黄斑部を引っ張ります。正常な黄斑部はすり鉢状の形をしていますが、膜に引っ張られると、このすり鉢状の形が乱れ、持ち上げられます。

2) 症状は?

自覚症状として歪み、物が小さく見える、真ん中が見えないという症状が起こり、さらに進行すると視力が低下します。患者さんが「線が歪む」と言って受診したときは、まず黄斑部の病気を疑います。

3)診断は?

正常な黄斑部現在、一番有用なものがOCT検査です。眼底三次元画像解析検査と呼ばれ、赤外線を用いて網膜の断面を水平・垂直に画像化することで、黄斑部の形状をとらえることができます。正常な黄斑部はすり鉢状をしていますが、黄斑部網膜前膜前膜で引っ張られた網膜は黄斑部の形状が乱れているのがわかります




4) 治療は?

硝子体手術になります。目に小さい穴をあけ、ピンセット状の器具で膜を取り除きます。ただ、自覚症状が出るまで何年かの期間が経っている場合が多いので、きれいに膜を取り除くことができても、黄斑部の形状はすぐには元には戻りません。手術をする医師と良く話し合って決めてください。
視力の良い方、自覚症状の軽い方は、手術をせずに経過観察とすることもあります。




前月号はこちら(スマホ版

過去の記事もご覧ください PC版ホームペ-ジ