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ふじえ眼科コラムTOPICS 

ドライアイ(2018.2/7)NEWS

2012年(平成24年)にコラムに載せていますが、2016年に「ドライアイの定義・診断基準」に改訂があったので、補足をして、紹介します。

1)ドライアイの定義・診断基準

ドライアイの定義は「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」です。原因はいろいろあるけれど、目の表面を覆って目を守ってくれる涙がきちんと目の表面を覆ってくれず、乾燥感を覚えたり、目がかすむなどの症状があり、角膜表面に傷が出来ることもあります、と言い換えることができるでしょうか。
次に診断基準ですが、2つあります。
@眼不快感、視機能異常などの自覚症状
A涙液層破壊時間(BUT: break up time)5秒以下
の2項目で確定診断となります。この2項目に当てはまる人は、ドライアイと診断されます。
涙液層破壊時間とは、目の表面の涙の層の安定性の指標です。フルオレセインという診断用の色素の試薬で眼表面を染色すると、涙が染まり角膜全体が涙で覆われているのがわかります。患者さんにそのまま目を開けていてもらうと、時間がたつにつれポツンと涙がなくなる点が出てきます、この時間をBUT 涙液層破壊時間といいます。5秒以下の人はドライアイが強く疑われます。


2) 自覚症状

目が疲れる。ゴロゴロする、乾く、かすんで見える等の訴えが多いです。パソコン作業が多いとまばたきの回数が減りますし、オフィスは空調で乾燥していることが多いので、潜在的な患者さんはかなり多いのではないでしょうか。


3) 角膜上皮障害


ドライアイが強くなると、角膜に小さな傷ができることがあります。これはゴロゴロ感の原因となります。角膜の下方に出来ることが多く、ニコニコマークの口のように見えるのでスマイルサインと呼ばれます。


4) かすみ感

目の表面は涙で均質に覆われていることによって気持ちよく物を見ることができます。ドライアイによって涙液の表面がでこぼこになると目の中に入る光が散乱して、かすみ感を覚えます。


5) ドライアイ治療薬

目薬の治療ですが、4種類あります。ジクアホソルナトリウム(商品名:ジクアス)、レバミピド(商品名:ムコスタ)、ヒアルロン酸ナトリウム(商品名:ヒアレイン、ティアバランスなど)、人工涙液(商品名:マイティアなど)です。それぞれ特徴を見て行きましょう。
@ジクアホソルナトリウムは、結膜の細胞に働きかけ水分およびムチンの分泌を促進します。ムチンは眼表面と涙液層の接着剤の役目があるので、涙液の安定性を増す働きをします。
Aレバミピドは胃薬のムコスタを目薬に活用したものです。胃の粘膜保護に効くのなら、目の表面の保護にも効くだろうという発想で開発され、これが大当たりでした。角膜上皮にあるムチンを作る細胞に働きムチンを分泌させるとともに、角膜上皮の傷の修復作用もあります。
Bヒアルロン酸ナトリウム
高級美容液に入っている保湿成分です。耳にしたことがあると思います。分子内に水分子を保持し、保水します。
C人工涙液
涙と同じ成分0.9%食塩水が多く、水分の一時的な補給ができます。

今まで、ドライアイや角膜上皮障害の治療は、ヒアルロン酸ナトリウムと人工涙液でしたが、2010年にジクアス点眼液、2012年にムコスタ点眼液が発売され、治療の流れが大きく変わりました。ヒアルロン酸ナトリウムや人工涙液はじょうろで水をまくようなもので作用が一時的ですが、ジクアスやムコスタは涙やムチンの量を増やしてくれるので、効果が継続します。最近はジクアス、ムコスタをメインに使い、乾燥感が強い時、ヒアルロン酸ナトリウムを点眼するという使い方が主流になってきました。


6) 外科的治療

点眼薬の治療でも角膜の傷が治らない患者さんは、涙点をふさぐ治療をすることがあります。涙点はまぶたの鼻より上下にある涙の排水口です。余分な涙はここから鼻に流れていきます。下水にふたをしようという発想です。
シリコン製の涙点プラグを入れる方法、コラーゲンを涙点に注入する方法があります。

7) 日常生活で気を付けること

部屋が乾燥している時は、加湿器を使い湿度を上げましょう。最近は卓上の小さなもの、USBから電源を取れるもの等、便利な加湿器が出ています。眼鏡をかけるだけでも、眼表面からの涙の蒸発を防ぐことができます。
工夫をして、快適に過ごしていただきたいと思います。


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