結膜B:目の痒み、アレルギー性結膜炎かもしれません(2019.9/4)NEWS
アレルギーはある特定の物質に反応して過敏反応を起こす現象です。この原因になる物質を抗原(アレルゲン)と呼びます。 アレルギー結膜炎は結膜に抗原が接触しておこります。目が痒い、ゴロゴロする。こんな症状があったら、アレルギー性結膜炎かもしれません。
今月はアレルギー性結膜炎の原因、症状、対処法についてお話します。
1)原因は?
ハウスダスト、大気中の花粉、コンタクトレンズの装用が主なものです。
ハウスダストは喘息や鼻炎、アトピー性皮膚炎の原因にもなります。カビやダニの死骸・糞などが混ざったものです。
花粉では、代表的なものがスギ花粉ですが他にもいろいろなものがあります。2月から5月にスギ、4月から5月にヒノキの花粉が飛び、この両方に抗体を持つ人が多いので、花粉症の方には辛い季節です。その他、5月から8月にはカモガヤ、ホソムギといったイネ科の花粉が飛び、8月から10月はブタクサ、ヨモギなどキク科の花粉が飛んで、アレルギーを引き起こします。花粉が飛ばない平和な季節は11月から1月の3か月くらいしかないのです。
コンタクトレンズは目に異物を入れることなので、アレルギーを引き起こします。重症な方は、上の瞼の裏側にデコボコとした変化を起こし、痒いだけでなく、レンズが上方にずれるという訴えも多いです。
2) 症状は?
目の痒み、ゴロゴロ感、充血、涙が出る、メヤニが出るといった症状です。瞼の痒みを伴うこともあります。
3)対処法は?
原因となる抗原を調べるには、血液検査で何に対する抗体があるかを調べてもらうとよいでしょう。一般に通年性(一年を通して症状がでます)はハウスダスト、季節性は花粉の場合が多いです。
まず抗原との接触を断つことが一番の対処法です。ハウスダストなら、ホコリにダニの死骸や排泄物が含まれるので、こまめに掃除をする。シーツや枕カバーを週に1−2回は取り替えて洗濯をするなどです。
花粉は、マスクやメガネで鼻や目の粘膜に花粉が接触しないように予防します。帰宅した時は、ドアを開ける前に衣類や髪についた花粉をはたいて落としてから入ってください。
コンタクトレンズが原因の場合は、装用時間を短めにする、また症状が強い時だけ1日の使い捨てのレンズにすると良いでしょう。
適切に薬を使っていただくのもお薦めです。症状には波がありますので、辛い時は、薬の助けをかりて乗り切ってください。抗アレルギー剤の点眼、痒みが強い時はステロイドの点眼を追加すると効果があります。瞼の痒みには、やはりステロイドの入った眼軟膏を使います。内服薬は鼻の症状にも目の症状にも効果があります。
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