151.瞼⑥:眼瞼痙攣「瞼がピクピク、病気でしょうか?
鏡を見ると、まぶたがピクピク動いて止まらない。これは何か悪い病気かしら?こんな不安を抱いたことはありませんか。実は私も41歳の時、初めて経験しその後、何度か繰り返しています。まず、何故起きるのかを知りましょう。
1) 眼輪筋の不随意運動
瞼の皮膚のすぐ下に、薄い膜状の筋肉があります。木の年輪のように眼を取り囲んでいます。これを眼輪筋と呼び、瞼を閉じる働きをします。その筋肉が自分の意志とは関係なく(不随意に)動くことで起きる現象です。
2) 原因は?
眼輪筋の動きを制御する大脳のシステムの誤作動です。ただ、脳のCTを撮っても明らかな異常が出ることはなく、機能的な誤作動と思われます。私が経験した患者さんでも、脳外科でCTを撮ってもらい異常のあった方はいませんでした。3) 治療が必要な場合は?
一般的には「眼瞼ジストニア」と呼ばれる疾患ですが、治療が必要な方とそのまま様子を見ていますよい方にわかれます。ピクピクが気になるだけの方は、まずは、様子をみてください。私がそうなのですが、生活に支障がなければ1週間くらいでおさまることが多いです。
治療が必要な方は、生活に支障をきたしている方です。
眼瞼痙攣の症状として、目が重い、眩しい、瞬きが多い、あるいは瞬きをしづらいなどがありますが、さらに症状が進行すると瞼を開けることができず生活や歩行が困難になります。
このような場合はボトックス治療が必要です。
4) ボトックス治療
ボトックスという軽い筋肉の麻痺を起こさせる薬を瞼に注射をする治療です。瞼を閉じようとする筋肉の力が弱くなるので、目を開けやすくなります。ただ効果の持続が約3か月なので、効果が薄れたらまた、注射が必要です。当院ではこの治療は行っていませんので、必要な患者さんは、近隣の脳外科の先生にお願いしています。
(2022.9.7更新)