123.水晶体②:白内障
水晶体の病気の代表は、白内障です。
1) 白内障はどんな病気?
私たちの水晶体は、若い時は透明ですが、年齢を重ねるとともに白く濁ってきます。これを「加齢性白内障」と呼び、40歳代から始まり、80歳代ではほぼ100%に認められます。
「加齢性」の他に、生まれながらにある「先天性白内障」、ぶどう膜炎などの病気によって起こる「続発性白内障」、打撲等の怪我で生じる「外傷性白内障」があります。
2) どんな症状がおこりますか?
私は患者さんに「透明できれいな窓ガラスが、曇りガラスになり外の景色が見づらくなった状態」とお話しします。霧がかかったように見える、車のライトがぎらつく、視力の低下などの症状が出ます。3) 治療法は?
進行して見づらくなった場合は手術になります。ご自分の濁った水晶体を超音波の器械で砕いてとり、そこに人工の眼内レンズを挿入します。通常、白内障は急激に進行したり、失明することはありません。緊急性はないので、手術の時期は患者さんの希望を聞き、良く話し合って決めます。ただ、白内障は年齢とともに進行するので、生活に不自由を感じる、体力の衰えを感じる、こんな時は前向きに手術を考えて頂きたいと思います。
(2020/3/04更新 )