95.緑内障:視野検査
今回は緑内障の視野と視野検査について紹介します。
1) 検査法
動的視野検査と静的視野検査があります。
動的視野検査は、ゴールドマン視野検査と言います。患者さんには、片目ずつ、縦に半円状のドーム型の器械のなかの真ん中の一点を見つめてもらいます。器械の後ろにいる検査員が円の外側から内側に向けて指標の明るい円を動かします。円が見えた時、患者さんにブザーを押してもらいます。指標は大きく明るいものから、だんだん小さく暗いものに移り見えづらくなるに従い、視野は狭まります。健康な視野なら、楕円形になりますが、視野が欠損すると、上方が欠ける、下方が欠けるという結果がでます。
静的視野は、ハンフリー視野検査、オクトパス視野検査と呼ばれるものです。(視野計の会社で名前がついていて、原理は同じです。)動的視野検査と同じように半円のドームに指標がでます。真ん中の指標を見つめ、指標の円が見えた時に、ブザーを押してもらいます。
ただ動的視野検査との違いは、指標がランダムにいろいろな場所にでることです。
2) 緑内障の視野を見てみましょう
正常な視野と、緑内障で視野が欠けてきた結果を示します。
私たちは気づきませんが、やや耳側に一か所見えない場所があります。これを自然な盲点とよびます。これは視神経乳頭に対応した部分です。
正常な視野では、盲点以外、欠けている場所はありません。
緑内障では、盲点以外に患者さんが気づかずに押してくれない場所が出てきます。これが視野欠損です。視野検査では異常が出ても、以外に患者さんに自覚症状が全くない場合が多いです。
視野の欠損に早めに気づき、早めに治療を開始し、視野の進行を抑えれば、一生困ることなく暮らすことが可能です。テレビの健康番組は「失明する」と不安をあおるようなことを言いますが、必要以上に不安を持つことはありません。
次回は、緑内障の薬物治療についてお話しします。
2017/11/8更新