86.ルテインとは何?
糖尿病の話が続きましたので、今月は軽い話題で、ルテインという物質についてお話しします。
1) ルテインとは?
網膜の中に存在する色素の一つです。目に害を及ぼす「短波長紫外線」を防ぎ、網膜を守ってくれる物質です。
ルテインは体内では生産されず、食事やサプリメントで取る必要があります。一般にはほうれん草やブロッコリーなどの黄緑色野菜に多く含まれていますので緑の野菜を心がけて取るようにするのが好ましいですね。どうしても野菜が不足しがちな人は、サプリメントで取ります。実は私も時々、飲んでいます。
サプリメントとしては、目に良いとされる物質(ルテイン、亜鉛、マルチビタミン)を総合的に含んだもの(オキュバイト、サンテルタックスなどの名前であります)と、ルテインだけのものがあります。
2) 加齢黄斑変性症の予防
何故、ルテインが脚光をあびるようになったかというと、加齢黄斑変性症の予防に効果があることがわかってきたからです。加齢とともに網膜にはリポフスチンという老廃物が蓄積し、黄斑が障害を受けます。この老廃物が作られるのを防ぐ抗酸化作用が期待できるのです。
すでに加齢黄斑変性症になってしまった方には効果は期待できませんが、これからの高齢化社会を迎えるにあたり、目の健康維持に今あるサプリメントの中では一番効果が期待されています。
3) 禁煙と、紫外線カットも取り入れましょう。
喫煙は加齢黄斑変性症のリスクの一つです。また、短波長(400から420nm)の紫外線をカットするのは効果があります。紫外線カットというと、サングラスと思いがちですが、実は眼鏡のレンズの色は関係ありません。透明なレンズでも紫外線を90%以上カットしてくれるレンズがあります。眼鏡店で「このレンズは紫外線カットですか?」と尋ねれば教えてくれます。現代では、私たちの目は、日光だけではなくパソコンやスマートフォンの画面のブルーライトに含まれる紫外線にもさらされ、日々、ストレスを受けています。紫外線カットのレンズをうまく生活に取り入れていきましょう。
2017/2/8更新