52. 円錐角膜
1) 発症・診断
円錐角膜は10代に発症し、30歳くらいで病気の進行が止まります。何故か男性に多いです。患者さんは10代前半から中頃に、「急激に視力が悪くなった」と言って受診します。それ以前は視力は良好です。
角膜の中央が飛び出た形をしていて、急に近視や乱視が進行します。視力検査では近視や乱視のレンズで矯正しても、良い視力を得ることができなくなります。
2) 治療
円錐角膜は強い乱視になるので、メガネやソフトコンタクトレンズでの視力矯正は難しいです。ハードコンタクトレンズで矯正すると良い視力を得られます。角膜にのせたハードコンタクトレンズのカーブを自分の角膜のカーブとして代用できるからです。通常のハードコンタクトレンズが使えないことはありませんが、円錐角膜の方は、この病気の方のために作られた特別なレンズを使うことをお勧めします。
3) 手術になる場合
円錐角膜の患者さんの中には、角膜中央部が濁って白くなる方、また角膜中央部が極端に薄くなって角膜に孔が開きそうになる方がいます。こうした方は、角膜移植が必要になります。4) 円錐角膜のポイントは3つ
①10代前半までは視力が良かった②思春期に急に視力が落ちた
③メガネを作りに行ったがメガネのレンズを合わせても視力が出ない
です。
この場合は、円錐角膜の可能性があるので眼科を受診してください。
川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら
2014/5/13 更新