42. 網膜剥離
今回は、眼科の病気のなかでも怖い病気の一つ、網膜剥離についてお話します。
なぜ怖いかというと、健康な人に突然起こることがある、治療が遅れると失明する、この2点によります。
1) 網膜裂孔から網膜剥離へ
網膜は目の奥にある厚さ0.1~0.4mmの薄い膜で、網膜で感じた光の刺激が脳に伝えられ、私達の目はものを見ています。約1万人に1人の頻度で網膜に孔が開き(網膜裂孔)、そこから網膜が剥がれ、光を感じることができなくなります。これが、網膜剥離です。ボクサーなど、眼球打撲で起こるケースもありますが、ほとんどは突然起こります。近視の強い人、50~60歳代の人に多い傾向があります。
2) 予防は可能?
残念ですが予防法はありません。健康な人に突然起こるので、患者さんは皆びっくりします。早期発見、早期治療が大切です。飛蚊症(物が飛んで見える)、視野欠損(視野の欠け、見えない部分がある)、視力低下は危険信号です。放置せず、眼科で検査を受けてください。
治療は手術です。残念ですが、薬で効くものはありません。治療法は、次回のコラムでお話しします。
川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら
2013/7/10 更新