18. 目のけがの話し その1:角膜表面の傷
1) 角膜表面の傷
写真を見てください。 傷の状態を見るためにフルオロセインという色素で染めて、青い光で観察します。 傷に色素が入り込み、黄色い蛍光を発します。斜めに何本もの線が走っているのがおわかりでしょうか。これは角膜表面の傷、すり傷のようなものと考えてください。 |
2) 角膜の傷は痛い
この患者さんは、とても痛がって目を開けられない状態で受診しました。よく診察すると、短い髪の毛が入っていました。まばたきの度に、これが角膜表面をこすって多数の傷がついたのです。髪の毛を取り、角膜保護剤の点眼で治りました。角膜には、三叉神経という神経がたくさん走っていて、身体の中で、最も敏感な部分です。皆さんも目にごみが入ってゴロゴロ感、涙が出て辛い思いをした経験があることでしょう。
角膜は中央ほど知覚が過敏です。同じ傷でも、中央に近いほど、痛みが強いです。
3) 原因は?応急処置は?
目にゴミが入った、目をぶつけた、紙や人の手がかすった、洗剤や薬品が入った、こうした原因で傷がつきます。ゴミや薬品が入った場合は、まず、水道水で洗います。薬品は何よりもまず希釈することが大切です。500mlから1000mlくらいの水を使って洗ってください。
薬品はアルカリ性の方が怖いです。角膜が大きくダメージを受けます。
4) その後の治療
ゴミが入った場合、目を洗ったあと、痛みがなければ様子をみます。時々、上のまぶたの裏について洗ってもとれない場合があります。そのときは眼科を受診してください。洗剤や薬品が入った場合は、眼科で傷の状態を診てもらうのがよいでしょう。この時、入ったものの容器や成分を書いたものを持ってきてくださると、とても助かります。
ほとんどの場合、自分の治癒力で角膜のきずは治ります。必要に応じて、角膜保護剤、抗生物質の目薬を使います。
川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら
2011/07/21 更新
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