17. はやり目の話し
1) はやり目とは
人から人に感染する結膜炎を総称して「はやり目」といいます。正式な名前は「ウイルス性結膜炎」で、ウイルスが原因で感染します。代表的には3つ「流行性角結膜炎」、「咽頭結膜熱(プール熱)」、「急性出血性結膜炎」です。この3つの結膜炎についてお話し、最後に一番大切な予防法をお話しします。2) 流行性角結膜炎
アデノウイルスというウイルスで起こる結膜炎です。感染してから約1週間で発症します。充血、ゴロゴロ感、痛み、まぶしさ、まぶたの腫れといった症状が出ます。症状が強いと痛みで目を開けることができない患者さんもいます。3) 咽頭結膜熱(プール熱)
やはりアデノウイルスで感染します。プールで感染することがあり、別名、「プール熱」とも呼ばれます。充血とともに、のどに炎症が出て発熱することもあります。4) 急性出血性結膜炎
エンテロウイルスというウイルスで感染します。眼球結膜(白目の部分)に出血を起こし、やはり、充血、ゴロゴロ感、まぶしさを訴えます。5) 治療はどうしますか
残念ながら、有効な治療法はありません。ですから、何よりも予防が大切になります。ウイルスに有効な薬はありませんが、他の感染症を合併しないために抗生物質の目薬と、炎症を抑えるためにステロイドの目薬を使います。約1~2週間で自然治癒します。
6) 予防が大切
ウイルスの結膜炎は周囲の人、家族に感染するので、何よりも予防が大切です。充血のある間は、涙にウイルスが含まれています。顔を拭くタオルは別にして、手をよく洗いましょう。目を拭いたティッシュは一つのビニール袋にまとめて捨てましょう。インフルエンザと同じように、治癒するまでは学校や保育園はお休みしてください。どこで感染するかわかりません。外出先で目がかゆくなったら、手でこすらずに、ティッシュを使いましょう。帰宅したら、すぐ手を洗いましょう。日頃の注意が大切です。
川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら
2011/06/20 更新
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