1. スギ花粉症の話し
鼻はつまる、目は痒い、でも仕事を休むわけにもいきません。でも、早めの予防と治療で、なるべく楽に乗り切ることは可能です。キーワードは、「予防」「治療」この二つです。
1) それでは、予防から考えましょう。スギ花粉症は、スギ花粉が鼻や目の粘膜に付き、そこで局所の炎症(アレルギー反応)が起こることで不快な症状が出ます。一番の予防は花粉に接触しないことです。
- 花粉は暖かく風の強い日に多く飛びます。こうした日は可能なら外出を避けるか少なくします。
- 鼻の粘膜、目の粘膜にスギ花粉がつかないようにします。マスクをして鼻を守り、眼鏡をかけて目を守りましょう。ゴーグルのような花粉予防眼鏡を売っています。これはとても効果がありますが、「あんなごつい眼鏡はちょっと・・・」という方には、普通の眼鏡やサングラスでも充分効果があります。盲点になるのは、眼鏡の表面。外出から帰ってくると、レンズの表面に、スギ花粉がたくさん付着しています。水道で洗い流し、ティッシュでやさしく拭いてください。
- 室内に花粉を持ち込まないようにしましょう。意外な盲点が、室内に持ち込まれた花粉です。家に入る前にコートを脱いで花粉を払う、帽子や髪も払ってから入りましょう。 家族の方も同様にして、協力してもらいます。
2) 次は治療です。
- 早目に治療を開始します。スギ花粉情報に気をつけ、花粉飛散開始予想日の2週間くらい前から予防治療を始めると効果があります。同じ薬でも早めに始めると効きが良く、花粉症シーズンを比較的楽に乗り切ることが可能です。
- 治療薬は内服薬、点鼻薬、点眼薬の3つです。抗アレルギー薬は、以前は飲むと眠くなるものが多かったのですが、最近は眠気の少ない良い薬が開発されました。鼻づまりでよく眠れないと、日中、能率が上がりません。医師と相談して、眠くならない薬を試してみてはいかがでしょう。 点鼻薬、点眼薬は抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬の2種類があります。どちらも効果がありますが、効き目が現れるのに何日かかかるので、前述したように早目に使い始める、すぐ効かないからといって使用を中止しないことが大切です。
- 薬はスギ花粉が飛ぶ2月から4月始めまでは続けましょう。
最後に、毎年、スギ花粉症に悩む方に朗報です。2009年の夏は雨が多く日照時間が少なかったため、2010年のスギ花粉量は例年の3割から5割という予想です。この春は、比較的楽に過ごせそうです。しかし、ここで油断してはいけません。今年、2010年の夏が暑いと、来春はたくさん花粉が飛ぶことが予想されます。(2005年の春がそうでした)油断大敵、「予防」と「治療」で、つらい季節を乗り切ってください。
川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら
2010/01/14 更新
コラムトップへ戻る