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177.網膜⑦:黄斑円孔 歪みと視力低下

黄斑部の病気、今回は、黄斑円孔です。私が研修医でスタートした時は、治療ができない病気でしたが、硝子体手術の発展とともに治療ができる病気になりました。

1)どんな病気?

加齢とともに、網膜に接着した硝子体が収縮します。収縮した硝子体が、ポンと外れると、後部硝子体剥離といって問題ありません。ただ、黄斑部での癒着が強いと、黄斑部の網膜を引っ張り込んで破け、孔が開きます。これが黄斑円孔です。
発症率は0.1から0.3%、女性にやや多く、強度近視がリスクという報告があります。

2)症状は?

黄斑部は視機能の9割が集まっている部位なので、歪み、視力低下、物が小さく見える、視野の真ん中が暗く見える といった症状が出ます。

3)診断

黄斑円孔 前回お話した中心性漿液性網脈絡膜症と同様に、黄斑部の病気の診断には、OCT=光干渉断層計が有用です。右図のように、黄斑部の全層に円孔が開いているのがわかります。







4)治療・手術

治療は手術になります。円孔が大きくなると視力は0.1以下になりますので、早目に手術になります。手術時期が早いほど成功率が高く、術後視力が良いこともわかっています。

手術法は硝子体手術です。黄斑部周囲の硝子体を切除し、内境界膜という薄い膜をはがします。最後に眼球内にSF6という特殊なガスを注入し患者さんに1週間程度うつ伏せの姿勢を取ってもらいます。(患者さんからは、手術より、このうつ伏せ1週間の方が辛かったという話を伺いました)
ガスが円孔周囲の網膜を抑え、その間に、グリア細胞という修復細胞が円孔をふさいでくれます。

私たちは両目で物を見ているので以外に、片目の視力低下や歪みに気付くのが遅れることがあります。月に1回、片目ずつ今日のカレンダーの日付、窓枠を見てみましょう。線が歪んでいる、真ん中が暗い・ぼやける こんな症状が要注意です。


(2024.11.30更新)


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