多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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175.網膜⑤:網膜剥離、早く治療を

今回は眼科疾患のなかで、急いで治療を必要とする病気の一つ、網膜剥離の話です。
突然起こり、黄斑部まで剥離が進むと手術が成功しても視力が回復しない場合もあります。
治療が遅れると、失明に至ることもあります。

1)どんな症状で気付きますか?

まず多いのは飛蚊症です。突然、黒い影や糸くずのようなものが見えるという訴えです。
剥離した網膜は光を感じないので、視野欠損も大切なサインです。下半分が見えない、鼻側が欠けて見えるという症状は要注意です。
剥離が黄斑部に及ぶと、視力低下が起こります。

2)原因は?リスクファクターは?

眼の打撲といった外傷で起こる場合もありますが、ほとんどの方が、突然起こります。網膜の周辺に孔(網膜裂孔)が開き、そこから硝子体が網膜下に入り込んで、網膜が剥がれます。
硝子体は目の中にあるゼリー状の物質で、加齢とともにだんだん収縮して、ある時、網膜と接している部分が外れます。この時に、ぽんと外れてくれれば良いのですが、網膜の一部を引っ張り網膜に孔が開くことがあります。そこから網膜が剥がれてくるのが網膜剥離です。

網膜剥離を起こしやすい年齢を見ると、20歳代と50歳以上の二つの山があります。また強度近視の人はリスクが高くなります。
ただ、どのような年代の人でも、近視ではない人でも、そして外傷の覚えがなくても、突然起こる場合が一番多く、普段から予防するということは難しいです。

3)治療法は?

手術になります。
孔が小さく、まだ周辺の剥離が小さい場合は、レーザー光凝固で剥離を防ぐことができます。裂孔の周辺を囲むようにレーザーで網膜を凝固し、堤防を作る治療です。
レーザー治療は外来で行うことができ、入院の必要もないので、患者さんの負担も少なくてすみます。

剥離が大きく、進んだ場合は手術になります。硝子体手術が主流です。これは眼球内に器具を入れ、網膜を引っ張っている硝子体を切り取り、さらに孔の周囲にレーザー光凝固で瘢痕を作り孔をふさぎます。


(2024.9.11更新)


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