多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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163.角膜④:感染症に注意

角膜には、細菌、ウイルス、真菌(カビ)の感染を防ぐための免疫、バリア機能があります。しかし、上皮に傷がついて細菌感染を起こす細菌感染、以前かかったヘルペスウイルスが再び活性化して起こるウイルス角膜炎、まれですがコンタクトレンズ使用での真菌感染を起こします。

1) 細菌感染症

角膜の上皮に傷がつきバリア機能が敗れると起こしやすいですが、そうした既往がなくても時に起こすこともあります。コンタクトレンズの消毒が不十分、装用時間が長いというのもリスクファクターになります。
症状は目の痛み、充血、メヤニ、視力低下です。
原因菌として肺炎球菌、ブドウ球菌、緑膿菌、モラクセラ菌があげられます。
治療は抗生物質の頻回点眼です。患者さんには大変ですが1時間か2時間ごとに点眼してもらうこともあります。重症では、抗生物質の内服、点滴が必要になる場合もあります。

2) 真菌感染症

コンタクトレンズ使用の方で激しい目の痛みがある、庭木の手入れをしていて木の枝で目をついたという場合、真菌感染を疑います。非常に強い目の痛みを訴える方が多いです。診断は、角膜病巣部を削り顕微鏡でカビの菌糸が見つかれば確定します。
ピマリシンという真菌に効果のある点眼薬や、抗真菌剤の内服、点滴を行います。

3) ウイルス感染症

角膜感染で問題になるのは、ほとんどヘルペス感染症です。

①単純ヘルペス
ほとんどの人が子供の頃、知らないうちに感染しています。これを不顕性感染といいます。ヘルペスウイルスは、なかなか曲者です。一度感染すると体から出ていくことはありません。神経節に身を潜め、体の抵抗力が落ちると悪さをします。
角膜に木の枝のような潰瘍を作ります。これを樹枝状角膜炎といいます。
治療は抗ウイルス薬のゾビラックス眼軟膏を使用します。

②帯状疱疹ウイルス
子供の頃かかった水ぼうそうのウイルスです。このウイルスもずっと神経節に潜み、抵抗力が落ちた時に突然悪さをします。体のいろいろな部分に出ますが、三叉神経第一枝の支配領域(眼周囲から鼻、前額部)に出ると、角膜炎を起こす場合があります。帯状疱疹では水疱がぷつぷつとできます。48時間以内ですと抗ウイルス薬内服が効果があります。ピリピリ感を伴う水疱が出た場合は、早く皮膚科を受診してください。
眼症状がないまま治癒する方が多いのですが、発症から1-2週後に激しい炎症を起こす方がいます。目の痛み、視力低下を伴うので、眼周囲の帯状疱疹の後、このような症状があれば眼科の受診をお願いします。
原因は角膜とともに、虹彩炎を伴っているのでステロイド点眼で治療をします。



(2023.9.6更新)


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