応急処置�@：目に洗剤が入ったら (2018.9/5)NEWS

お掃除をしていて、目に洗剤が入り、あわてて目を洗った。こんな経験はどなたにもあると思います。応急処置には二つのポイントがあります。
第一に、まず流水で15分、目を洗うこと（これは目に入った洗剤や薬品を希釈することです）、第二に眼科を受診する時、洗剤のボトルを持って行くことです。

１）まず、水道の水でよく洗う

大急ぎで近くの眼科に飛び込み、保険証を出して手続きをしている間にも、時間は過ぎていきます。まずは、その場で、水道水で目を洗うことが一番大切です。目を洗うということは、目に入った洗剤や薬品を希釈することになります。
手のひらに水を貯めてパシャパシャでは効果不十分です。多少、しみて痛くても大胆に洗いましょう。
髪の毛はびしょ濡れになりますが、流水の下に顔を突っ込む、風呂場に飛び込みシャワーで目を洗う等、効果があります。
こうして15分、流水で目を洗った後、眼科を受診してください。

2) 容器を持って行く、怖いのはアルカリ性

眼科に行く時は、洗剤の容器を持っていって、医師に見せてください。容器の裏には、洗剤や薬品の成分と、アルカリ性のものには「液性：アルカリ性」の表示があります。
キッチンハイターやカビキラーがアルカリ性です。何故アルカリ性が怖いかというと、浸食力が強く、角膜に孔があくことがあるからです。
人間の体はタンパク質でできています。酸性のものは、タンパク質と反応してすぐに凝固するので、よほど強い酸でない限り、角膜の深部まで浸食することはありません。卵の白味にお酢を入れるとすぐ白く固まるのと同じです。
一方、アルカリ性は組織への浸潤が強く、角膜に大きなビランを作ったり、最悪の場合は孔があくことがあります。

3）治療

まず、角膜の状態を確認します。その後、当院でも生理食塩水を用い目を洗います。上瞼、下瞼の奥まで念入りに洗うのでびっくりする患者さんもいます。
角膜に傷がなければ、その時点で一安心。翌日もう一度診察して、角膜がきれいなら心配はありません。
角膜に傷がある場合は、浅いものなら、抗生物質の目薬を使いながら経過を見ます、傷が治ればもう大丈夫です。
問題は傷が深く角膜が薄くなっている方です。将来、角膜移植ができる病院に紹介します。保存角膜、保存強膜、羊膜などで角膜にパッチをする手術が必要になる場合があります

4）アルカリ性の洗剤を使う時はメガネをかけよう

私はキッチンハイターを使う時は、パソコン用のメガネをかけて目を保護します。メガネを使っていない方も、サングラスなどでもかまいません、メガネをかけて保護しましょう。


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