多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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114.角膜⑤:角膜移植の進歩

角膜移植は1世紀にわたり行われてきた手術です。角膜には血管がないので他の臓器に比べ拒絶反応が少ないのです。角膜は透明であることで、光を網膜まで届かせてくれます。この透明性が病気や怪我で失われると視力が失われます。角膜移植の適応となる病気には、水疱性角膜症、円錐角膜、角膜変性症、感染を起こした後の角膜混濁、外傷による角膜混濁などがあります。

1) 角膜移植の歴史

以前は角膜移植を受けるのは大変、困難なことでした。移植を待つ人の数に対し、提供してくださる方の数が少ないので、移植待ちリストに載っても何年も待つことがありました。近年は海外のアイバンクから提供された輸入角膜を用い、予定手術で移植を受けることができます。大きな進歩になりました。

2) 術式の進化

従来は角膜の全層(上皮・実質・内皮)を置き換える全層角膜移植でしたが、これに加えて障害された部位のみを移植片に置き換える部分移植が行われるようになりました。この部分移植は、患者さんの目に、より負担が少なくより良く見える手術を提供できるよう、まだまだ進化しそうです。

3) 手術後の問題点

より安全に、より良い視力を、と進歩している手術ですが、術後の合併症はあります。
術後の感染症、拒絶反応、眼圧上昇などです。
他の臓器に比べ拒絶反応は少ないのですが、それでも初回手術で20~30%、術後1年以上で30~40%に拒絶反応が起こると報告されています。ステロイドの点眼や内服、免疫抑制剤の内服が必要になる場合があります。


(2019/06/05更新 )


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