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70.老眼―不自由になったら近用眼鏡を

   40代になったあたりから、小さい字が読み辛くなった、暗いところで細かい数字がわからない。こんなことはありませんか。老眼の始まりです。
 私たちの目は、角膜と水晶体でピント合わせをしています。水晶体はカメラのレンズにあたり、若い頃は、自動焦点レンズです。遠くのものを見る時は薄く、近くのものを見る時は厚くなってピント合わせをしてくれます。残念ながら、40歳を過ぎたあたりから、このピント合わせの力が低下し、なおかつ、水晶体の柔軟性が失われて近くを見る時に、十分に厚くなりません。近くを見る時は、老眼鏡をかけることになります。調節力の低下は年齢とともに徐々に進み、60歳くらいで調節力が失われるので、老眼の進行はとまります。何回か老眼鏡を作り直すのはこのためです。

1) 「えんきん」を試してみました

えんきん6月に「手元のピント調節力に」とパッケージに表示した「えんきん」というサプリメントが発売されました。これは「機能性表示食品」です。「機能性表示食品」とは、企業が安全性や機能性に関する科学的は根拠を消費者庁に届け出て、健康への効果を商品に表示できます。
 「えんきん」は、ルテイン、アスタキサンチン、シアニジンー3-グルコシド、DHA(ドコサヘキサエン酸、魚油に含まれる不飽和脂肪酸)含みます。
 ルテインは前回お話しました。網膜の黄斑部を保護する力があります。アスタキサンチンは抗酸化作用を持ち、アンチエイジング効果を期待していろいろなサプリメントに使われています。シアニジンはブルーベリーに含まれ、やはり抗酸化作用があります。DHAは血液サラサラ作用があり、動脈硬化の予防が期待されます。


2) 1か月飲んだ効果は?

近見視力表 私は1か月「えんきん」を飲んで、効果を検証してみました。まず、薬の効果を調べる時は、今まで使っていた薬を中止し、以前の薬の効果が消えたところで新しく始める薬の効果を調べます。これをウオッシュアウトと呼び、通常、2週間を要します。私も、前回このコラムに書いたマルチビタミン、ルテイン、亜鉛を2週間中止したのち、「えんきん」を飲み始めました。
 効果は客観的に調べないといけませんので、近見視力表を用い、1週間に1回、近見視力を測りました。近見視力表は写真にあるように、字がだんだん小さくなり、30cmの距離でどこまで見えるかを調べます。
まずスタート時 右(0.5)左(0.6)、 第1週 右(0.5)、左(0・6)、 第2週 右(0.5)、左(0.6)と変化なし。第3週 右(0.6)、左(0.8)と少し良くなりました。そして最後の第4週は 右(0.5)、左(0.6)と元に戻ってしまいました。
 この間、自覚症状が改善したかと聞かれると、正直に言うと、手元が見やすくなった感じはありませんでした。

3)不自由になったら無理をせず、老眼鏡をかけましょう

 老眼は必ず訪れ、必ず進行します。見えない字を苦労して見ようとするより、不自由なら無理をせず、老眼鏡をかけてください。
 今回、私には「えんきん」は効果が実感できませんでしたが、考えてみれば私は50代後半の立派な中年。サプリメントで効果を期待するほうがずうずうしいかもしれません。40代前半の少し手元が不自由になったという方にはどうでしょうか。この読者で「えんきん」を試した方がいらしたらお話しを聞かせてください。


2015/10/7更新

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