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67.全身病と目―高血圧性眼底

  前回に続き、全身の病気からくる網膜の変化、今回は高血圧性眼底についてお話します。

1) 高血圧とは

  まず、高血圧とは何かから勉強しましょう。高血圧とは安静時の血圧が慢性的に正常値より高い状態をいいます。
 血圧は、心臓から流れてくる動脈内の血液が血管の壁を押す力でmmHg(ミリメートル水銀柱)で表します。私たちが血圧計で測っているのは、上腕の動脈の血圧です。よく「上の血圧、下の血圧」といいますが、上の血圧=収縮期血圧、心臓が収縮したときの血圧、 下の血圧=拡張期血圧、心臓が拡張したときの血圧 です。
 正常な血圧は収縮期血圧が139以下、拡張期血圧が89以下をいいます。つまり収縮期血圧が140、拡張期血圧が90を超えた場合、要注意で、降圧剤による治療が始まります。実は私も加齢とともに血圧が上がり、ついに収縮期血圧が160となり今年の初めから、降圧剤の治療が始まりました。今は120から130mmHg位で落ち着いています。

2)何故、血圧が上がるのか。何故、高血圧が危険なのか。

  腎臓の病気や内分泌の異常で血圧が上がる場合もありますが、ほとんどは加齢による動脈硬化によります。加齢とともに、血管の壁の弾力性が落ちて硬くなります。また、食塩の摂取量が多いのも原因になります。私もまさにこれで、現在、薄味を心掛け、お漬物も梅干しも我慢です。
 さて、何故、高血圧がいけないのでしょう。何故、血圧を下げないといけないのでしょう。
「高血圧は万病のもと」と言ってもよいくらい、いろいろな病気を引き起こしてくるからです。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、心筋梗塞、狭心症を起こす確率が高くなります。

3) 人間ドックで高血圧性眼底を指摘される場合

高血圧 高血圧性眼底  人間ドックで眼底写真を撮り、「高血圧性眼底・要精査」と指摘されることがあります。「K-W Ⅱ」「Schiei H2S2」など訳のわからない結果をもらいびっくりしますが、これは高血圧性眼底の分類で、Keith-Wagener分類、Scheie分類です。動脈硬化で血管が細くなっていないか、網膜に出血を起こしていないか等を指標に重症度を分類していきます。数字が大きくなるほど要注意です。
 網膜は直接、血管を見ることができる唯一の場所です。写真は網膜の血管が動脈硬化のために細くなり、白斑(点線内)が認められます。この方は高血圧の治療をきちんとしたところ、眼底の変化も改善しました。



4) 目の病気への高血圧のリスク

 網膜の血管の閉塞のリスクとなります。動脈が静脈を押しつぶして出血するのが、網膜静脈閉塞症、動脈が詰まるのが、網膜動脈閉塞症です。

5) まとめ

今回は目の病気についてというより、高血圧についての話になってしまいました。まとまりが欠けましたが、ご容赦ください。日本の高血圧の人口は約4000万人、3人に1人がかかっている病気です。定期的に血圧をチェックし、高い値が続いたら内科受診をお願いします。
  
2015/7/8 更新

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