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66.全身病と目―糖尿病網膜症

  全身の病気が目に影響を及ぼすことがあります。代表的なものが、糖尿病と高血圧です。今月は糖尿病網膜症の話、来月は高血圧性眼底の話をします。糖尿病網膜症については、2010年(平成22年)に3回に分けてコラムを書きました。どうぞそちらも合わせてお読みください。
 今回は糖尿病の合併症である網膜症を防ぐために、定期検査が必要であることに焦点をしぼってお話しします。

1) 三大合併症

   糖尿病の三大合併症は、網膜症、腎症、神経症です。長年、糖尿病を患っていると、体の中の細い血管が詰まり、血流が悪くなります。人間の体の中で、特に細い血管から栄養を受けているのが、目の網膜、腎臓、細い神経なので、まず、ここに悪影響がでます。
 腎臓は血液の中の老廃物をろ過し、尿として排出します。腎症になるとその機能が低下し、重症化すると透析が必要になります。
 神経症では手足の感覚の低下、自律神経障害などが起こります。

2) 糖尿病網膜症

 いよいよ網膜症の話をします。網膜の血管が詰まると酸素が届かず、酸素不足となります。その結果、網膜は新しい血管(新生血管)を作り酸素不足を補います。しかし、この新生血管が曲者なのです。新生血管は血管の壁がとても薄く、出血を起こしやすいのです。
 網膜症が進むと突然の眼底出血による視力の低下が起こります。レーザー治療や硝子体手術を行いますが症状が進行している場合は視力回復が難しい場合もあります。

3) 定期検査がなによりも大切です

糖尿病網膜症   写真を見てください。網膜症の前増殖期という状態で、レーザー治療が必要です。この方は、最近ものがぼやけて見えると言って受診、視力は0.5でした。網膜症が怖いのは、糖尿病になってから約10年という長い年月をかけて徐々に悪化し、それまで患者さんに自覚症状が現れないことです。早い段階で治療を受け視力を守るには、自覚症状がなくても、1年に1度は眼科で眼底検査を受けてください。この患者さんは、近隣の病院に紹介し、レーザー治療を受け、進行を食い止めることはできましたが、視力の回復は困難でした。なによりも定期検査、早期発見・早期治療が大切な病気です。


 
 
2015/6/10 更新

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