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65.中心性網脈絡膜症

 今回も、舌をかみそうな名前の病気です。中心性網脈絡膜症(ちゅうしんせいもうみゃくらくまくしょう)です。黄斑円孔のコラムでお話ししましたが、網膜の中で一番視力に関係しているのは黄斑部です。この網膜の中心といえる黄斑部の下に、網膜と網膜を栄養する脈絡膜の異常で水が貯まり見え方に異常が起こる病気という意味です。

1) 症状と原因

  網膜の外層にあり、網膜に栄養を与える組織を脈絡膜といいます。黄斑部付近の脈絡膜血管の異常で、血管から水分が漏出し、黄斑部の下に貯まり網膜剥離を起こした状態になります。
 原因は不明ですが、30歳代から50歳代の働き盛りの患者さんが多く、ストレス病とも言われています。ほとんどは片目のみに起こり、経過を見ていると自然に治る方がほとんどです。

2) 自覚症状

 視力は比較的良い方が多いです。視力検査をすると1.2ですが、「歪む」という訴えで受診する方が大半です。見たいと思う中心部が歪む、物が小さく見える、暗いという訴えが代表的です。

3) 検査と治療

中心性網脈絡膜症 血管に造影剤を入れて眼底写真を撮り、どの血管から水分が漏出しているかを調べる蛍光眼底造影法が代表的な検査ですが、近年、眼底三次元画像解析が有用な診断法になりました。眼球断面を縦方向、横方向に断層撮影し、網膜の形状がわかります。患者さんに苦痛のない大変優れた検査法です。
 眼底写真と眼底三次元画像解析の図を見てください。この患者さんは40歳代の男性、数日前から左目に暗く見えない部分があるとの訴えで受診しました。視力は左右とも1.2ですが左目の黄斑部が浮腫を起こしており、眼底三次元画像解析では、左の黄斑部が大きく隆起しています。補足ですが、黄斑部は網膜の一番内側の組織がないため、正常な黄斑部は凹みがあります。
 
 眼底三次元画像解析 正常 治療ですが、中心性網脈絡膜は自然治癒が多いので、その旨を患者さんに説明し、ほとんどの方は経過観察でみます。上記の患者さんも、循環改善薬の内服のみで浮腫は消失し、見え方も改善しました。症状が長引く時は、蛍光眼底撮影で漏れ出している原因の血管をつきとめ、その血管をレーザーで凝固する場合もあります。







眼底三次元画像解析 黄斑浮腫






2015/5/14 更新

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