多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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50. ヘルペス角膜炎

まぶたの病気の話が続きました。今回から、角膜をテーマに書いていきます。角膜シリーズ第1回は、ヘルペス角膜炎です。

1) ヘルペスウイルス

ヘルペスウイルスは現在、9種類の存在がわかっています。1型は口唇ヘルペスやヘルペス角膜炎を起こします。3型はみずぼうそうを起こすウイルスです。厄介なことに、子供の時にかかったみずぼうそうのウイルスは、その後も体の中に住み続け、中年以降に帯状疱疹を起こします。
ヘルペスウイルスの厄介なことは、一度感染すると、体の神経節に住み続け、時々、暴れることです。1型のウイルス(別名、単純ヘルペスと言います)は不顕性感染(ふけんせいかんせん)といって知らないうちに症状もなく感染し、体のなかにずっと潜んでいるのです。

2) ヘルペス角膜炎

今回は1型の単純ヘルペスウイルスが原因で起こるヘルペス角膜炎の話をします。顔面の知覚に関係するのは三叉神経で、この三叉神経節に潜伏したウイルスの再活性でおこります。唇に水疱を作る「口唇ヘルペス」と原因のウイルスは同じです。
ヘルペス角膜炎は特徴的な形の角膜潰瘍を作ります。ヘルペス角膜炎 樹枝状角膜炎写真を見てください。樹枝状角膜炎と呼びますが、木の枝のような形です。写真は青く見えますが、フルオレセインという色素で染色し青い光をあてると、潰瘍の部分が樹枝のように見えます。
患者さんは、充血と異物感で受診しましたが、典型的な樹枝状角膜炎でヘルペス角膜炎の診断がつきました。
もう一つ特徴的な症状は、角膜の知覚が低下することです。

3) 治療

ヘルペスウイルスにはゾビラックスという薬が良く効きます。ゾビラックス眼軟膏という目に点入する眼軟膏を使います。一日に5回も点入しなければならないので面倒ですが、1~2週続けてもらうと潰瘍が治り、異物感もなくなります。  
ただ、ウイルスは相変わらず神経節に潜み続けるので、再発する可能性があるのが悩みの種です。

川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら

2014/3/14 更新

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