多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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47. ドライアイの新しい治療

冬です。空気はからからに乾燥していて、ドライアイの方には辛い季節がやってきました。
おさらいで、どうぞ「コラム23:涙の話」、「コラム24:ドライアイ」の話をもう一度読んでください。最近2つの新しいドライアイ治療薬ができました。今回は、この薬についてお話しします。

1) おさらい

涙は角膜の表面に薄い水の膜として存在し、目を乾燥から守ってくれます。涙の量が少なくなったり、質が変化して涙が目の表面に留まらないとドライアイの症状が起こります。
角膜と涙はムチンという物質で接着し、目の表面に涙が留まる仕組みになっています。

2) 今までのドライアイ治療

従来のドライアイ治療は、涙が蒸発しないようにする、足りない涙をおぎなう、この2点でした。部屋を加湿する、メガネをかけて目の表面からの涙の蒸発を防ぐ、人工涙液の点眼をする。これが今までの治療です。

3) 涙を増やす目薬

2010年に一般名ジクアホソルナトリウムの点眼液が使えるようになりました。ムチンや水分の分泌を促進し、涙の量、安定性を増します。もう一つは一般名レパミピドの点眼液です。この点眼もムチンの分泌を促進し、涙の安定性を増します。
たとえて言うなら、人工涙液は乾いた地面にじょうろで水をかける。ジクアホソルナトリウムやレパミピドは井戸を掘りあてるといったところでしょうか。

4) 実はデメリットをじっくりお話ししています

2つともとても良い薬ですが、やはり副作用や好ましくない使用感があります。私は、患者さんにこの薬を処方するときは、デメリットを良く説明します。知らずに使うと患者さんは驚き不安を感じます。逆にデメリットを知っていれば、メリットが上回るときは、患者さんは喜んで使ってくれるからです。
まず、ジクアホソルナトリウムから話します。しみる、刺激感がある、充血する、この訴えが一番多いです。
次に、レパミピドですが、この薬の正体は胃薬のムコスタです。ムコスタは胃の粘膜の修復作用があります。それなら目も粘膜だから効果があるだろうと研究を始めてできた目薬です。初めて見た方はびっくりしますが、まるで牛乳のように白く濁っています。そして点眼するとまず100%、1分位、視界が白くぼやけます。もう一つ困ったことは、涙点から鼻を通り喉に流れるととても苦いのです。私は苦味を感じませんでしたが、処方した患者さんのなかには、「お料理の味付けができない」という訴えがありました。
とても良い薬ですが、メリットがデメリットを上回り、快適になる方と、デメリットが上回り、使えずに従来の人工涙液で治療をしている方がいます。

ただ、この2つの薬の手ごたえはとても良いので、私は、患者さんに薬の副作用の方を話すというおかしな診療ですが、これからもドライアイ治療に使っていきます。

川崎市多摩区 ふじえ眼科 院長 藤江敬子 プロフィールはこちら

2013/12/16 更新

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