多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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149.瞼④:眼瞼下垂「瞼が下がってきました」

「若い頃はぱっちりと大きな目だったのに、だんだん上の瞼が下がってきた。」「瞼が邪魔になって、見えづらい。」
これは眼瞼下垂といいます。私たちは瞳を通して物を見ていますが、瞼が瞳にかかると上方の物が見づらくなります。シャッターが降りてきて瞳をふさいだと想像してください。視界が狭くなり、不自由です。

1) 瞼を上げる筋肉が疲れてきました

瞼には、上眼瞼挙筋とミューラー筋という筋肉があり、瞼を上げてくれます。残念ですが、加齢とともに、この筋肉の働きが弱くなり、瞼が下がってきます。
症状が軽いうちは、自分でテープで瞼をつりあげてみてください。
瞳にかかる、もしくは上方のものが見づらくて不自由なら、手術の適応になります。

補足ですが、若い頃からハードコンタクトレンズを使っていた方は、レンズを外す際に瞼を外側に引いて外すことが多いため眼瞼挙筋、ミューラー筋に負担がかかります。40歳を過ぎた頃から、眼瞼下垂を起こすことがあります。

2) 眼瞼下垂の手術

眼瞼下垂の治療は手術になります。たるんで余った皮膚を切り取り、上眼瞼挙筋とミューラー筋を縫い縮めます。手術は局所麻酔で術中、患者さんに目を開けてもらい、左右のバランスを確認しながら行います。

2) 先天性の眼瞼下垂

最後に、先天性眼瞼下垂の話をします。生直後から瞼が下がっている場合です。子供は網膜に刺激を与えることで、物を見る力が伸びていきます。下垂が軽度の場合は、視力の発達を見ながら、経過観察、もしくはテープでつりあげて生活します。上方が見づらいので顎を上げて物を見る場合もあります。見る力が順調に育てば手術は必須ではなく、思春期に手術を考えます。
瞼を完全におおっている場合は、早期の手術が必要になります。形態覚遮断弱視になるからです。先天性の角膜混濁、白内障、眼瞼下垂で目の中に光の刺激が入らないと視力が発達しません。これを形態覚遮断弱視といい、子供のうちに治療をしないと、大人になってからでは治療はできないのです。

(2022.7.6更新)


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