多摩区 中野島・登戸 ふじえ眼科

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126.網膜②:突然起こる網膜剥離

今回は眼科疾患のなかでも怖い病気である網膜剝離についてお話します。なぜ怖いかというと、突然起こる、治療が遅れると失明にいたることがあるからです。

1)原因は?

網膜は目の奥にある薄い膜ですが、前回お話したように、ここには物を見て脳に伝える機能がぎっしりと詰まっています。この網膜に孔が開きそこから網膜が剥がれる病気です。
打撲による外傷性のものもありますが、ほとんどは硝子体剥離に伴い突然起こります。
硝子体は目のなかにあるゼリー状の物質です。加齢とともにだんだん収縮してきて、ある時、網膜と接している部分が外れます。ぽんと外れてくれればよいのですが、この時、網膜の一部をひっぱり、網膜に孔を開けることがあります。これが網膜裂孔です。そして、この裂孔から網膜がはがれるのが網膜剥離です。
頻度は約1万人に1人、近視の強い人、50~60歳代の人に多い傾向があります。

2) どんな症状で気付きますか?

まず多い訴えは、飛蚊症です。突然、黒い影や糸くずのようなものが飛んで見えるという訴えです。剥離が黄斑部に及べば、視力低下も起こります。
剥離した網膜は光を感じないので、視野欠損を訴える方も多いです。下半分や上半分が見えない、内側や外側が見えないという症状は危険なサインです。

3)予防は可能ですか?

残念ですが予防法はありません。突然起こり、患者さんはびっくりします。何よりも早期発見、早期治療が大切です。

4)治療は?

手術になります。孔が小さく周囲の網膜剥離が狭い場合はレーザー光凝固で剥離をくいとめられる場合があります。剥離が大きく進んでいる場合は、手術になります。現在、主流となっているのは硝子体手術です。眼球内に器具を入れ硝子体の牽引を外すとともに、孔の周囲にレーザーで瘢痕を作り孔をふさぐ方法です。

(2020/8/05更新 )


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