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116.結膜②はやり目に注意

これから何回か、結膜炎のシリーズを書きますが、第一回は「はやり目」です。正式な病名は「流行性角結膜炎」です。この病気は昨年の7月にも書きましたが、最近、患者さんが増えているので、結膜炎シリーズの第一回に持ってきました。

1) 感染力が強いです

アデノウイルスによる接触感染で非常に感染力が強いです。感染した患者さんの涙にウイルスが排出され、その人が触ったものを知らずに触り感染する、家族内でタオルから感染するケースが多いです。特に、家族内での感染が多く、家族に患者が出た場合は、全員タオルを別にする、手を良く洗うという感染予防の注意が必要です。

2) 症状は?

まず感染してから1週間程度の潜伏期があります。その後、結膜の充血、メヤニ、涙が出る、といった症状がでます。目の痛みや異物感を訴える人もいます。

3) 診断は?

患者さんの話を聞いて家族に同じ症状の人がいる場合は強く疑われます。非常に強い充血、異物感も要注意の症状です。
流行性角結膜炎が強く疑われる人には、アデノテストという迅速診断キットを使い調べます。綿棒で結膜をこすり、展開液にうつし、テストプレートに滴下して約10分で結果が出ます。この検査は特異性が高く、ウイルスがいないのに陽性になる(これを偽陽性といいます)ことはありません。アデノテストが陽性に出たときはアデノウイルスに感染しているので、お子さんは、1週間から10日、充血がなくなるまで幼稚園や学校はお休みしてもらいます。残念なのは感染していても約2割が陰性に出ることがあることです。さらに精度の高い検査法が出ることを期待しています。

4) 治療は?

残念ですが有効な治療法はなく、約1週間から10日で、自分の治癒力で治すほかありません。ただ複合感染を防ぐため抗生物質の点眼を、また炎症症状を和らげるためステロイドの点眼を用います。後遺症で角膜の濁りが出ることがあるので、ステロイドの点眼は充血が引いても、もう少し長めに使ってもらいます。

5) 何よりも予防が大切です

とても感染力の強いウイルスで、家族内感染が多い病気です。なにより予防が大切です。充血の強い人がいたら、家族全員、手をよく洗う、それぞれ使うタオルを別にして予防してください。メヤニはティッシュペーパーでふき取り、そのゴミを入れる袋も別にしましょう。すぐに手を洗ってください。うっかりどこかを触ってしまったら、アルコールで拭いてください。

(2019/08/07更新 )


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